スラムのガキから王になった話

やっぱり見てからしばらく経った映画って

いや映画じゃなくても、

どれだけ好きでも記憶に残るのって自分にとって印象深いところで、

しかも人に話すときにそこばっか強調しちゃうから

自分の記憶に変なバイアスかかっちゃいますよね。

 

 

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こいつもトンチキアーサー王伝説映画の部分ばっか覚えてて

見直したら結構すごい映画でした。

 

ネタバレあり感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キング・アーサー

スラムのガキから王になれ!でおなじみの新感覚下剋上ソードアクションムービー。

予告編出た当初は「キング・アーサー 聖剣無双」ってサブタイトルがついてて、

普通に怒られたのか公開時にはただのキング・アーサーになってたりしましたね。

 

監督がRDJのシャーロック・ホームズでおなじみガイ・リッチーだったり、

主演・アーサー役がパシフィック・リムの主役の人だったり、

ベデヴィア卿がガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのロナンの部下の人だったり、

観る前からその筋(どの筋?)のオタクに刺さる要素が

チラホラあるのが面白いですよね。

 

で、この映画の話をするなら欠かせないのがやっぱりトンチキアーサー王伝説

映画の冒頭から悪の魔術師モルドレッドが巨大な象さんでキャメロット城に攻め込み、

それをマーリンから託されたエクスカリバーの使い手ユーサー・ペンドラゴンが

聖剣パワーで象さんに乗り込んでモルドレッドを倒したりして、

観客、特になんとなくアーサー王伝説をかじってるオタクに

「これは、ガイ・リッチー作品やで」みたいな感じで

脳に響く強烈なフックを叩き込んできます。

 

その後はユーサーの弟ヴォーティガンがクーデターを起こして

ユーサーを暗殺して王位を簒奪したり、

小舟で流され一命をとりとめたアーサーがスラムの娼婦たちに拾われたり、

カンフー・ジョージにカンフーを習ったり、

エクスカリバーを引き抜いたり、

ベディヴィア率いる打倒ヴォーティガンを掲げるレジスタンスに拉致られたり、

ダーク・ワールドで聖剣と向き合ったり、

友達が死んだり、

湖の乙女にエクスカリバー返そうとしたら説教されて返し返されたり、

ヴォーティガンを倒したり、

カンフー・ジョージが円卓の騎士に加わったり、

同じくスラムのガキだった友達がトリスタンだったり、

てっきりマーリンだと思ってた女魔術師が名無しの魔術師で、

マーリンは別に居たけど誰!?どこ出てた!?ってエンドロールでなったりする、

そんな皆知ってるおなじみのアーサー王伝説が繰り広げられる訳なんですけど…

 

…っていうこのどう考えても「誰も知らないアーサー王伝説」が強すぎて

初めて観たその日から3年ちょっとの間、

脳内ではこいつを実写ルパンと同じジャンルの棚に入れてたんですよ。

 

改めて見たら、例えば序盤のジュード・ロウ演じるヴォーティガンが、

自分の妻を生贄にセイレーンから邪な魔法の力を得る地下湖のシーンとか

城の地下らしい階段から漏れる光や、

それが湖面に反射した妖しげな青白い光に照らされて、

まるで絵画のような画作りになっていたりしてめちゃくちゃ美しいんですよね。

ここだけ300に入れても違和感ないくらい映像美。

さすがに言いすぎかもしれない。

あとはアーサー達が旅するイングランドの自然の遠景とか、

ダーク・ワールドや森に住む木の精霊(?)の造形も良い。

 

 

あとはトンチキだと思ってたアーサー王伝説も、

トンチキなわりに王にしか抜けない剣やってたり、

逆に聖杯探索とかは全く絡んでなかったりで

真面目にアーサーの誕生と即位の部分をやってて、

1本の映画でやりたいこととか出したい名前とか使ってこうなったのかな、とか

ちょっと見直したりして、

これは認識を改めないといけないかもな…って省みてたところで

円卓の騎士カンフー・ジョージ卿が爆誕してたので、

置くジャンルを変えようと脳内で手に取ってたこれの記憶を

そっと実写ハガレンと同じ棚に入れました。

 

 

スラムのガキから王になれ、やっぱり大好きなんだよなって話でした。

 

ガイ・リッチー作品って音楽もいいよね。