青青3とかで出せる伝説のクリーチャーって感じ。
何の話かっていうと、映画の話なんですけども。
マウイの声優、ドウェイン・ジョンソンだったんすね。
ネタバレあり感想です。
モアナと伝説の海。
海に憧れる少女モアナが半神マウイと共に、滅びゆく故郷の島を救うためにかつてマウイが女神テ・フィティから盗んだ心を返しに行く冒険を描く、ポリネシア神話をモチーフにした海洋アドベンチャー作品。
マウイはポリネシア神話における、他の神話で言うところのスサノオやロキ、プロメテウスのような、トリックスターであり文化英雄の側面を持つ神ですね。詳しくないので他の神とかはわかんない。
話の流れなんかもこう、見てるとディズニーだなーって感じですよね、外に憧れつつも出られないヒロインが外に出る話。なんかもう半分くらいこれで説明付く気がする。
モアナに対してマウイがプリンセスいじりしたりするあたり、その辺はある程度分かっててテンプレなぞってる感じもありますけどね。
島から出られないのも、もちろん指導者の娘っていう立場とか村の掟もあるけれど、なにより海に立ち向かえる技術も知識もないからそもそも出られないってのがちょっといいなって思いましたね。サメとか魔物ではなく、海そのものの怖さを実感する最初の船出のシーンは結構なリアリティ。
モアナを導き、道中協力したりしなかったりする海の気まぐれさも、自然ってそういうものだよね、みたいなメタファーになってるのかもしれないですね。
自分勝手でやや幼稚な英雄マウイや、心を奪われて荒ぶる溶岩の魔物に変じた地母神テ・フィティ、宝物を集めるヤシガニの魔物タマトアなんかの神々も多神教めいた、それこそ日本神話の神々に近い雰囲気を持っているので物語そのものの取っつきやすさがいいですよね。全編通して神話を元にした物語というよりは、もうがっつり神話の1エピソード、ちょっと大きめの観光地にもなってるような神社に置いてあるパンフレットのストーリーをアニメ化しました、みたいなノリが個人的にはすごく好き。
大きなポイントとしては、主人公の相棒役になるマウイが好きになれるかどうかで割と評価変わりそうですよね。
英雄の過去を誇示し、自分の力の源泉である釣り針に執着し、そのために主人公の目的を無視したり、終盤も終盤で釣り針を失いたくないがために逃げ出したりする、持つ力に対しての器の小ささみたいなのは人によってはイライラして嫌いかも。
実は悲しい過去が…みたいな同情ポイントもあんまり深堀りされないですしね。
映像表現のほうもすごかったですね。単純にすごい綺麗なCGってだけじゃなくて、なんて言ったらいいか、特に村や大海原でカメラが引いてるときにそれが強くなってましたけど、被写界深度とかヴィネット風の効果でアニメとリアルの境界線の違和感を消すというか、人形劇とかセットに近い雰囲気というか。
感情豊かに物語に絡む海のライティングとか水表現とかね、素人が何言ってもチープになるんでもうすごかったしか言えないんですけども。
モアナ、海を舞台にした大人から子供まで楽しめるファンタジーアドベンチャーでしたね。
…ディズニー、誰でも楽しめるからこそ、キャラクターが少なくて、誰か死んだり何か壊れたりしないので、ちょっと物足りない気持ちが芽生えてきたんですよね…。
次はラーヤと龍の王国とか、またディズニーにしようかなとか思ってたけど、一旦めっちゃ人が死んだり何かが爆発する映画にしようかな…。