アベンジャーズ絡みでちょっと学んだニワカアメコミ知識も底が見え始めて、すっかり詳しい解説はインターネットで見るマンになったけど、次々新キャラが出てくるからアメコミってすごいね。
邦訳長いからロゴダサくなりそう~って思ってたらめちゃくちゃカッコよくてすごい。
この構図だとワンダがドクター・ストレンジみたいでウケるね。
ネタバレあり感想です。
ドクター・ストレンジ / マルチバース・オブ・マッドネス。
スパイダーマンでマルチバースやらかしおじさんの名を欲しいがままにしたあの男が、ついに自身の単独作2作目で本格的にマルチバース案件を開始!
元・至高の魔術師ドクター・スティーブン・ストレンジの前に現れたマルチバースを行き来する能力を持った少女、アメリカ・チャベスと、彼女の能力を求めて襲い来る謎の怪物。
これまで以上に強大な敵の襲来を予期したストレンジは、ワンダ・マキシモフへと助けを求める。
ストレンジとウォンは魔術師の寺院カマータージを要塞としてチャベスを守り、敵の襲来に備えるが、彼らを襲うのは今までの常識が通用しない、狂気と謎に満ちたマルチバースの脅威だった!
ついにマーベルのさらなる沼、マルチバース展開にがっつりダイブするMCU。
スパイダーマンFFHやワンダヴィジョンでチラッと匂わせキャンセルされ、ロキやホワット・イフを経てスパイダーマンNWHと今作でとうとう本格的に始動したマルチバースですけど、そう思ったら作品をまたぎながら徐々に出してきた感じがしますね。
それこそアベンジャーズやる前にマイティ・ソーやアイアンマンのポストクレジットシーンで「え、世界観同じなの…?」からキャプテン・アメリカの最後に「うわアベンジャーズやるんだー!!!」に近い感じというか。ワクワクさせるのが上手えぜ。
でそんなドクター・ストレンジMoM、タイトルにマッドネスってあるくらいなんでホラー演出がすごい。追いかけてくるスカーレット・ウィッチが、これでもかってくらいホラーに出てくる。
カマータージの防衛を破るためにモブ魔術師の精神に語りかけてきたり、水たまりにギョロッと目だけ映したり、鏡から腕だけ出してそこからこじ開けて出てきたり、執念深い殺人鬼ばりに足を引きずりながらでも高速で追いかけてくる。ホラーのバリエーション豊かだねワンダ・マキシモフ、ドラマ見るの好きだからね。
個人的には別世界のワンダの精神を乗っ取ったときに、一瞬ガッツリ観客のほうを見るのがゾクゾクがやばくてめっちゃ良かった。
タイトルはドクター・ストレンジだけど、ストーリーはだいぶワンダ・マキシモフの話でしたね。ポスターのセンター陣取るくらいですからね。
ド序盤のストレンジが助力を依頼しにいった次の瞬間に犯人バレするから、てっきり真の敵が裏にいるパターンかと思ったけど、徹頭徹尾しっかりワンダが犯人なのウケるね。お前それワンダヴィジョンと同じやつ。2回めやぞ。
まぁ今回はダークホールドに精神を操られての犯行ですからね、がっつりワンダヴィジョンと地続きの事件なので…うん…。
だいぶワンダ擁護派なのでダークホールド持ってきたアガサ・ハークネスが一番悪いってことにします。ワンダは可哀想な子なんや…。
本当に不憫すぎるというか報われてほしいのでワンダに幸せになって欲しい、宇宙のためにも。なんやかんやアレ死んでないやろ、多分…。
ストレンジは相変わらずストレンジって感じでしたね。本人の成長が~というよりは「このユニバースのストレンジは他のストレンジよりちょっとした差でマシだぜ」みたいな感じでキャラ付けされてってたような印象。
結婚式のシーンで水をワインに変えるのとか、文化に詳しくないんですけど傲慢さを表す不遜ムーブだったりするんですかね。
新キャラのアメリカ・チャベスはめっちゃ好きなキャラ造形でしたね。
星型にポータル開くのがめちゃくちゃ好みすぎる。カッコいい。
具体的な描写こそ殆どなかったですけど、「大人ぶる子供」な雰囲気で「本当は信頼できる大人に頼りたい、寂しい」感じが出てるのめっちゃ良かった。ストレンジや、別世界のクリスティーンがしっかりと「子供を守るのが大人」ムーブするのもいいですね。
個人的には「年相応のヒロインと破局した気難しめのヒーローが、ひょんなことから子供と2人行動する」展開が大好きなのでツボに刺さった感じはある。
最後にカマータージで魔術の修行してましたけど、やっぱりいきなりポータル開いたネッドって才能の塊だったのでは…?
もしネッドがゴブリン化しちゃう展開が来たら魔術使ってほしいな。強そう。
で、今回の目玉マルチバース展開。
予告の通りプロフェッサーX、チャールズ・エグゼビアとして実写Xメンからパトリック・スチュワートが!と思ったらまさかのキャプテン・カーターでヘイリー・アトウェルまで。
別世界のアベンジャーズ的な存在・イルミナティの首脳部として登場なので、他の面子もファンタスティック・フォーのリーダー、リード・リチャーズやインヒューマンズの王・ブラックボルト、そして別世界のキャプテン・マーベルと揃ってストレンジに立ちはだかったり、襲ってきたスカーレット・ウィッチと対決するんですけど、
ビックリするほど
あっさり
死ぬ
特にブラックボルトが、ドラマ版と同じ俳優さんに新しく原作っぽいコスチュームまで用意した上で「能力を封じられて自爆」なのがすごい。
そしてそれがめちゃくちゃ「マルチバース展開っぽい」。
なんとなくですけど、今回出てくる「イルミナティのバース」みたいな、ぽっと出の使い捨てユニバースが出てくるのめちゃくちゃマルチバースっぽい~~~って思ったんですよね。
悪役の強さアピールとして、別世界とはいえ有名ヒーローがあっさり殺されるってやっぱり強い印象を与えてくれる展開だと思うんです。これがコミックとかなら割と簡単で、そう描けばそう読者は受け止めてくれるけど、実写だとやっぱりその「ぽっと出の強いヒーロー」を出そうとしても、どうしても過去の作品でそのヒーローを演じてた俳優を使わないと、強さの説得力が出ませんよね。
でもそんな垣根を超えたレジェンド出演やったら、簡単に殺される展開に普通できないじゃないですか。もったいないし、そもそもそんな役どころだと復帰してくれるかすら怪しいと思うんです。
だからこそワンダヴィジョンのクイックシルバーはあんな感じになったし、スパイダーマンNWHは「別世界のピーターと一緒に、救えなかったヴィランを今度は救う」話だったし。
でもやったんですよね、ドクター・ストレンジMoMは。
しかもNWHで「改めて描く」ほうをやったからこそ、今回の使い捨てレジェンドヒーローがめちゃくちゃ効くんですよね。
もちろん見せ場が全く無いわけではなくて、結局スカーレット・ウィッチ相手に時間稼ぎにしかならなかったけど重要な時間稼ぎだったし、そこも上手いですよね。
今までさんざんアメコミを実写化してきたMCUがとうとう新たな「アメコミらしさ」演出を編み出してきたドクター・ストレンジMoM。
もちろん「マルチバースを冒険するストレンジとチャベス」のアドベンチャーもめちゃくちゃ楽しいし、世界ごとにかわる色使いやCGは圧倒的。
今後もどうなるかめちゃくちゃ楽しみですねMCU!って感じ。
そしてザ・バットマンとこれに挟まれたモービウスがどんどん不憫になってきたんだ。
もうホントにさ、自分の中でかつてのダークナイトとアベンジャーズに挟まれたグリーンランタンと同じ存在になりつつあるんだよな。
しかもよりにもよってコウモリヒーロー映画とホラー描写なヒーロー映画に挟まれて…。
逆にいうとこれだけ揃ってるなら、今がヒーロー映画ってジャンルの新しい転換期なんですかね…?