あーーーこんなに公開日に見れないのが怖かった映画しばらくなかったぜ。
SNS断ち&普通に忙しかったおかげで無事に何も踏まずに見れた、よかった。
期待以上に楽しめました。
ネタバレあり感想です。
シン・ウルトラマン。
ある日突然、そして何故か日本にのみ出現する巨大不明生物。政府はそれらを「禍威獣」と総称し、防災庁にそれらの対策を担う禍威獣特設対策室専従班、通称「禍特対」を設立した。
自衛隊などと連携し禍威獣の駆除をこなしていく禍特対だったが、禍威獣第7号「ネロンガ」の透明化能力と電撃に苦戦を強いられる。
有効な対策案が出ず、打つ手なしかと思われたその瞬間、大気圏外から突如、銀色の巨人が出現しネロンガと交戦。正体不明の熱光線をもってネロンガを一蹴する。
禍威獣をも圧倒する謎の巨人「ウルトラマン」の登場がトリガーとなったかのように、禍特対は、日本は、新たな脅威に立ち向かうことになる。
…な誰もが知ってる空想特撮シリーズのリブート作品。
TV版におけるウルトラマンの出現と決戦の流れを踏襲しつつ、いくつかのエピソードを抜粋、再構成して一本の映画にまとめたって雰囲気の作品でしたね。
言うて自分はウルトラマン詳しくなくて、身近にいるめちゃくちゃウルトラマンオタクな奴の話を聞きつつ、オーブとかジード、R/B、Zあたりを見てたので、それに出てきた怪獣なら知ってるよくらいなんですけど、それでも知ってる怪獣や宇宙人、事件が出てきたのでチョイスが上手いんだな~って思いました。
透明な怪獣が変電所に近づいたあたりで「ネロンガだ!」ってなった時はちょっと感動しましたけどね、自分自身の記憶力に。
ちょうど見てた最近のシリーズでリバイバル怪獣がいたのもあるかなー。
ザラブ星人が出てきたからにせウルトラマン出るのかな、とか巨大フジ隊員出てきたからメフィラス星人のしわざかな、とか事件と外星人の順序が違うし、目的も地球侵略!と人類掌握!で違うのも良かったですね。事態が進行している感もあり、シンプルに構成の緩急がスムーズで上手い。
怪獣出現!戦え科特隊!じゃなくて、外星人の地球人類への干渉と、その対応がメインだったのはSFって感じでしたね。モンスター映画やヒーロー映画じゃなくてあくまでも空想特撮映画なんだよって。
早々にウルトラマンの正体バレやって、人類に対するウルトラマンのスタンスを後半のメインテーマにしてるのも面白いですね。ウルトラマンに対する人類のスタンスじゃないんですよね、ウルトラマンが主体的。
主人公であるはずの神永のパーソナルに関わる描写がほぼ無いに等しいですからね。もちろん神永の自己犠牲精神が物語の大きな要素ではあるんですけど、あくまで主人公は「ウルトラマン」。
最後まで結局ウルトラマンは自身の人類への思いを言葉にできず、俯瞰的な立場のゾーフィが「好き」って言葉に集約させるの良いですね。なぜ自身を犠牲にしてでも守りたいと思うのか、ザラブやメフィラスの画策する支配を望まず自由なままでいて欲しいと思うのか、それはウルトラマンが人類を好きになったから。
TVドラマより圧倒的に時間が限られてる映画ならではの描写の仕方だったとも思います。
人類のフリをしながら溶け込もうとする異星人の斎藤工めっちゃ怪しかったですねー。ウルトラマンじゃなかったら完全に夜闇に紛れてどんどん行方不明者が増えるやつ。
禍特対のメンバー、少なっ!って思ったけどみんな雰囲気良かったですね。ウキウキで新兵器を開発する早見あかりとか、生身だとあんまり強くないタイプの外星人と戦う長澤まさみと西島秀俊とかも見てみたかったな、ウルトラマンだし。
しれっと竹野内豊が出てきたの笑いましたね、赤坂って名前だったりしない???
ザラブ星人とメフィラス星人のデザインめっちゃ好きだったー。特にザラブ星人。あのペラペラなビジュアル。奇妙で不気味で最高。
メフィラスはだいぶエヴァでしたね。ウルトラマンと殴り合いするとことかシン・エヴァの13号機戦みあったなって。真横アングルだったからかな。
山本耕史はどこにいても山本耕史って感じですね。強い。でもあのずっとニヤけてて余裕ぶってる感じが好きなんですよね。個人的には西島秀俊もいたせいで「きのう何食べた?」がよぎりすぎて変な面白さがあったけど。多分あのメフィラスは母星でジルベール似の美少年が帰りを待ってる。
ゼットンは全然違う雰囲気なのにシュンシュン音と発光しながら「ピロロロロロロ…ゼッ トン」って言ってたらもうゼットンだ!ってなったのでなんか負けた気になっちゃった。やっぱあの鳴き声(?)がキモなんだなー。キッチリ原作っぽいバリア張ったり赤い光線みたいなの撃つしね。
ウルトラマンはもう普通にウルトラマンでしたね。普通にスペシウム光線撃つし、八つ裂き光輪も出すし、回るし。縦回転する勢いでガボラ蹴り上げたのはちょっと乱暴すぎて笑ったけど。
予告編の超然的というか、無機質で不気味な雰囲気の立ち姿が印象的だったから、よく知ってるウルトラマンみたいなアクションはあんまりやらない感じなのかなって思ったけど、ガボラ戦以降ぐらいから普通によく見るウルトラマンでしたね。
にせウルトラマンが出た時とかにちゃんと目元アップにするのズルいなって思いました。そこよく見たいに決まってるよな。
で、めっちゃ楽しめたシン・ウルトラマンなんですけど、なにより面白ー!って思ったのはやっぱりアレなんですよね。
文脈。
最初のタイトルからしてウルトラマンのOP前のとこやりつつ、ウルトラQじゃなくてシン・ゴジラからシン・ウルトラマンに変化ですよ。ズルいって。
そのまま冒頭から一気に禍威獣や禍特対の設定をズラーーーって並べて「そして現在」ってやるあたりも、見に来る観客がシン・ゴジラ見てるって確信してないと出来ないですよこんなん。
最初のゴメスがシン・ゴジラっぽかったり、マンモスフラワーが東京駅に出現してたり、パゴスをヤシオリ作戦っぽく駆除して「ああシン・ゴジラみたいなことがあったんだな」って観客に印象づけてますけど、ある意味説明放棄ですからねこれ。
他のゴジラ映画なんかでも「世界各地に怪獣が現れ…」みたいなナレーションを序盤にやったりしますし、それと似たようなことをやってるだけなのに、絶対シン・ゴジラ見てるって確信した内容な上に観客は絶対にシン・ゴジラを見てるから、ただのナレーションと比べてめちゃくちゃ説得力が出る。ズルい。
ネロンガもミサイル迎撃するし、通ったあとを映すとこ見覚えある絵面だし、ガボラは地中貫通型爆弾MOP2で攻撃するしね。
またこのへんの爆発音とかのSE全部聞き覚えがあるんだよな、ズルいな。
ゾフィー、じゃなくてゾーフィの声優、山ちゃんですしね。それはじゃあ日本アニメ(ーター)見本市のウルトラマンのやつじゃんとかね。
これは聞きかじりですけど、そもそもウルトラマンが出現するまでの禍威獣がウルトラQが出典だったり、ゴメスは原典でもゴジラのスーツ流用してたり、似てるって言われたパゴス、ネロンガ、ガボラも原典でスーツ流用の怪獣なんですってね。
もうこうなってくると何かしら全部に何かしらの元ネタあるんじゃないかって気がしてくるよね。
逆に言うと「みんな知ってるでしょ?」で進行している感が強いので、ウルトラマン全く知らなかったり、シン・ゴジラ見てない人だったりすると面白さはだいぶ下がるんじゃねえかなーみたいな気はしましたね。
あとこれは文脈とか関係ないんだけど、巨大長澤まさみの動画がめっちゃYoutubeにアップされてる時のShort動画っぽいサムネとか字幕の質感めちゃくちゃリアルだったな。
シン・ゴジラのときもニコニコ動画っぽいコメントとかで思ったけど、スタッフにインターネットの質感出すのめちゃくちゃ上手い人いますよね。
そんな感じでめちゃくちゃ楽しかったですシン・ウルトラマン。
シン・ウルトラセブンとか帰ってきたシン・ウルトラマンとかやんねえかなー。
「シン」の感じのエレキングとかキングジョーとか、メトロン星人とか見てみたいなー。
そういえば最後らへんで総理秘書官みたいなひとが持ってたメモ、ウルトラ文字だった気がするんですよね。
気になる…2回め行こうかしら…。