図書室のシャーロック・ホームズシリーズで育った子供だったので、
やっぱり古典的な名探偵モノっていつまでも好きなんですよね。
とてもいい名探偵でした。
ネタバレあり感想です。
ナイブズ・アウト。
郊外にある古びた屋敷、不可解な富豪の死、謎を抱えた家族、密室殺人? 自殺?
これでもかと古典的なミステリ要素が散りばめられた事件に必要なもう1つの要素は?
決まっている、名探偵だ。
ダニエル・クレイグ演じる私立探偵ブノワ・ブランは正体不明の依頼主に、
小説家ハーラン・スロンビーの死についての捜査のため雇われた。
容疑者はハーランの家族。
ハーランの看護師だった「嘘をつくと嘔吐する」マルタ・カブレラを相棒役に、
ブランは事件の謎に迫っていく。
しかし、実はハーランの死にはマルタが深く関わっていて…。
なんていかにも古典ミステリのような筋書きで、古典ミステリのような捜査が進み、
実はマルタが殺した?殺していなかった?本当の犯人は?事件の決着はどうなる?
と濃密なサスペンスが展開されるわけでして。
そのサスペンスの中に移民問題だとか、格差社会だとか、孤独死だとか、
色々と現代的なテーマが盛り込まれてて、
もちろんパソコンだってスマホだって普通に使う。
そんな今風な舞台やテーマを持っているのに、図書館にずっと置いてある、
老若男女が読み続けてすっかりくたびれた文庫本のような懐かしさがとても良い。
これだけの懐かしさがあるには、自分が知らないだけできっと古い原作があって、
とても上手に現代風にアップデートがされた作品なんだろう、
と思って調べたらまさかの原作なしという、
真犯人より結末より、なにより映画そのものに一番騙された!というお話でした。
懐かしさという新鮮な感動、なかなかに脳が混乱しますね。