ドアンさんがめっちゃカッコよかった話

ククルス・ドアンの島、めっちゃ昔に見たけど2時間の映画になるような話じゃなかったよね…?

 

 

 

g-doan.net

 

原作要素をしっかり入れつつ普通に1本の映画としてめちゃくちゃ出来が良かった。

 

ネタバレあり感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島。

宇宙世紀0079、後に一年戦争と呼ばれることになる地球連邦とジオン公国との戦争の真っ只中。地球連邦軍の独立部隊・ホワイトベース隊は地球に侵攻するジオンの本拠地、オデッサ攻略作戦に備え補給のためにベルファストに寄港していた。

そんな中、ホワイトベース隊に無人島に潜む敵を殲滅する任務が与えられる。アムロとカイはそれぞれMSに乗り島の調査へ向かうが、そこでカイは無人島にいるはずのない子供たち、アムロガンダムは1機のザクに遭遇する。

戦闘の中ガンダムを失い、島にひとり残されるアムロを助けたのは、ザクに乗っていたジオン兵パイロット、ククルス・ドアンと彼の保護する子供たちだった。

…な機動戦士ガンダムアニメシリーズ第15話を原案としたリメイク?映画。

 

映画見たあとにアニメの方も改めて見たんですけど、わりとビックリするほど流れは原案そのままでしたね。

って言っても30分にも満たないアニメの1話分なので、再現がすごい!ってほどではなく、どちらかというと原案の雰囲気やメッセージを変えずにククルス・ドアンというキャラクターを再構成して、1本の映画としてここまで完成度を高めたのがすごい気がします。

 

 

アムロやカイなどのホワイトベース隊は普通にアニメやORIGINのイメージのまま、なんとなく緩くて牧歌的な雰囲気は、最近ハード目な作風が多かったガンダム作品のなかで安心感すら覚えます。

内向的でナイーブな少年って雰囲気のアムロ、お調子者で問題児タイプなカイやスレッガー、そして天真爛漫なカツ・レツ・キッカ。懐かしいなこういうのって感じ。

泣き虫なフラウ・ボウとかも可愛いですよね。ミライさんはなんとなく大人なお姉さんな感じ、ブライトの部屋に来るとことかなんかえっちじゃなかった???

ブライトさんがザ・中間管理職な感じで大変そうでしたね。上層部とクルーに振り回されつつ最終的にしれっと上層部無視してアムロ救出を見逃すの、ロンド・ベルの片鱗が見える。普段はビシッとしつつポロッとミライさんにはくだけた口調で愚痴ったりするの良かったですね。好き。

 

 

ククルス・ドアンはなんかもう新キャラでは???ってくらい設定増えてましたね。もともと腕のいいパイロットな雰囲気でしたけど、シャアに並ぶくらいの有名人にまで大出世。でも実際劇中の活躍見てるとイーサン・ハントか?ってくらいなんでもこなす強キャラになってましたね。

 

島の子供こんないた???って思ってたけど原案見たらやっぱり4人しかいなかったね。カーラに名前変わってたのはやっぱりロランだとターンエー乗りそうだからかな。

ドアンとカーラもなんか色っぽい雰囲気あってよかったですね。ドアンは手出さなそうだけど。特に描写されてるわけじゃないけど、ドアン←カーラ←マルコスで三角関係みたいになってるとすごく好みのやつなのでマルコスはカーラに恋してくれ。そんでドアンは俺はそういうの関係ないからみたいな顔しててくれ。

 

無人島で集団生活してるわりには結構みんな小綺麗な格好してるし、おもちゃやパンまで用意されてるし、今作のドアンの有能っぷりが如実に現れてて面白い。

 

今作のドアン、エースパイロットってだけじゃなくてソロで諜報活動まで任されてるからマジでめちゃくちゃ優秀な人材ですよね。

そりゃあんな余裕たっぷりの大人な雰囲気だし、いい声にもなるぜ。CV武内駿輔なの普通にびっくりしちゃった。貫禄出すぎでしょ。

 

 

主人公はアムロくんですけど、どちらかというと狂言回しの役目が殆どで、映画内で描かれるのはほとんどドアンについてのあれこれでしたね。

アムロの目を通してククルス・ドアンの冒険の最終章を見守る、みたいな。

 

そうこの映画「アムロの目を通したククルス・ドアン」を描くので、ひとつ面白いのがククルス・ドアンの苦悩や苦労は色々スキップして、ひたすら少年アムロが出会ったカッコいい脱走兵ククルス・ドアンを集中的に見せてくるんですよね。

お話もちゃんとガンダムなんですけど、やってることってわりとミッション・インポッシブル的なスパイ映画ですし。悪い国家が撃とうとする核ミサイルを止めるのが君のミッションだ、なんてスパイの王道ですよ。

そもそも、サザンクロス隊が島を強襲した時点でドアンの暗躍によって核ミサイルの無効化は終わってるわけなんで、「世界を救う」的なポイントはマジでドアンだけで終わってるんですよね。

 

スパイ映画なら組織を裏切った諜報員ククルス・ドアンがミサイル設計図を手に入れるために活躍したり、親を失った子供たちを助けたりするシーンがあるところがあるんだろうな~~~って思いつつ、そのミッション・インポッシブルなストーリーのラスト30分くらいをたまたま少年アムロが主人公の「機動戦士ガンダム」と被った、くらいの雰囲気。

昔の冒険小説っぽくもありますよね、海底2万マイルみたいな。ネモ船長やノーチラス号が舞台装置として出てきて仲良くなった主人公に聞かせてくれたぐらいしか過去のエピソードなんかは語られない、みたいな。

 

詳しく描写されないし本人も多くは語られないけど、サザンクロス隊の反応なんかで大物っぷりを表現される伊達男、ククルス・ドアン。おしゃれなやつ。

 

 

おしゃれで行くとマ・クベやゴップ元帥も良かったですねー。

パリは燃えているか?」を引用しながら戦術核兵器の駆け引きをやるとことか、実際に作戦が失敗した時のマ・クベの反応とかね、激昂するでも悔しがるでもなく、高笑いしながら去っていく。文化芸術を愛するマ・クベですから、その破壊が為されなかったことに「これはこれで満足」したのか、まさに「パリは燃えているか?」と同じく部下の手によって止められたことが感慨深いのか、余裕たっぷりな様子がカッコいい。

まぁオデッサ攻略されたらその後どんどん余裕なくなってくんでしょうけど。

 

ゴップ元帥は終始余裕たっぷりに振る舞っておいて最後の一言がまたズルい。

 

 

全体的にキャラ付けもケレン味が強めで面白く、また他シリーズとの繋がりも薄いので個人的には逆シャアと同じくらい単品で楽しめちゃう、ガンダムビギナーにもおすすめできるいい映画でした。ククルス・ドアンの島。

正直ここまで楽しめるとは思ってなかったので、わりとびっくり。サブスクとかで配信されてたらちょくちょく見ちゃいそう。

もはや映画としては楽しんでないかもしれない話

実はわりと楽しみでした。

 

 

wwws.warnerbros.co.jp

 

でも正直続いたこと自体がめちゃくちゃ意外だったよ。

 

ネタバレあり感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鋼の錬金術師 完結編:復讐者スカー。

色んな意味で衝撃だった実写ハガレンまさかの続編。

しかも完結編。

ええっ!?あと4時間で国土錬成陣まで!?

しかもきっちりスカーもシン国も北方司令部も絡めて!?

 

出来らぁっ!

 

出来ちゃってるな・・・とりあえず・・・2時間分・・・。

 

そんな(どんな?)人気マンガ原作の実写映画ですね。

 

 

まず大前提として、おれ実写ハガレン(1作目)大好きなんですよね。

あの原作の名シーンを詰め込みに詰め込むために各種イベントを時系列無視してでもぎゅぎゅっとまとめて、「タッカーのエピソードはやんないと」「マルコーさんから賢者の石聞くとこやんなきゃ」「やっぱヒューズ中佐の死亡シーンいるでしょ」「兄弟喧嘩はマスト」「今作中にマスタングがラスト殺さないと」「いいや盛り上げたいし人造人間軍団やっちゃお(!?)」で構成されたすげー映画ですよあれ。

マジでこれ続編やらないからこんな混沌とさせたんだろうなー、いや正直こういう割り切って見せたいシーンやるノリ、好感度上がる構成なんだよなーとか思ってたんですよ。

 

続くの!?

 

っていうか続けれるの!?

 

続けてんな・・・。

で始まる復讐者スカー。

 

スカーの新田真剣佑、思ってたよりちゃんとスカーでしたね。

でも単純に顔が若すぎるんよなー。

新田真剣佑新田真剣佑のままでいいから、タイムマシンで10年後くらいの新田真剣佑連れてきて撮り直してほしいなー。

 

リン一行とかも、正直もっとカタコトっぽい喋り方にして欲しかったなって、イメージ的に。

vsブラッドレイ戦の殺陣とかめっちゃよかったすけどね。

しっかり原作と同じヒキ作って困ってる犬からの「出し抜いてやったぞ化け物め」もやるのポイント高い。

フーじいさんの「腕ないのカ」のとことか普通にうるうるしてたし。

ランファンの子、思ってたよりめちゃくちゃ演技よかったですね。

 

逆に演技でいくとマスタング組が微妙だったというか、なんか浮いてましたね。ハボック少尉がホノレンの能力説明するとことか。

でもあれ原作再現っぷりならすげー忠実なんだよな。難しいとこですよね。

漫画なら吹き出しに長台詞入ってても読めちゃうけど、ドラマだとどうしても「こいつなんか勝手に喋ってんな」「戦闘中に独り言多すぎん?」ってなるやつ。ハボック少尉はその犠牲になったのだ。

足払いで大佐助けるとことか、二丁拳銃で追撃するとことか、車で駆けつけるやつとか、ホークアイ中尉のもろもろよかったですね。やりたかったんだろうな。髪下ろしてたほうが絵面の違和感も少なかったな。

 

前作でさんざんいじられてた大佐の炎、今回はめちゃくちゃ原作やアニメのイメージ通りのものがお出しされてて笑った。最初からそうしてくれよ。

グラトニー戦でもっかい見れるかなって思ったらやる前に負傷したの残念でしかたないんだが? 最後の錬成で見れることを祈りたい。

 

アームストロング少佐、絶対に出オチじゃんこんなんって思ったけど、動いて喋っててちゃんと少佐してましたね。

でもリゼンブールについてこなかったのは正直英断だと思う。

 

エドウィンリィはいい意味で前作のままの雰囲気でしたね。

今回はアルがめちゃくちゃ良かったですね。モーションキャプチャの演技も声の演技も。普通にスカー戦で手パン錬成するのめっちゃ混乱したけどな。

ウィンリィがネジ忘れたから中央に来るとこまでやった上でエドの腕が動かなくなるくだりやらないから終盤まで謎の緊張感があったな、バトルシーン。

 

グラトニーとエンヴィーは相変わらずの完成度でしたね。舘ひろしも貫禄あったなー。

寺田心さんはちょっと面白すぎましたね。

前作のトラウマがあるので下手な子役当てられるよりは寺田心さんのほうが絶対いいんですけど、もうインターネットのせいで寺田心さん見ただけで笑っちゃうんよ。

タイムマシンで20年前の神木隆之介連れてきて撮り直してほしい。

 

あとは地味ーに映画内だと出番少ない重要キャラにしっかり良い俳優さん当ててるの好感度高いんですよね。

ノックス先生が杉本哲太とかめちゃくちゃ良かった。

師父とか、腕マシンガンのテロリストのあいつとか、遺跡のお婆ちゃんとかも良かったですね。

 

 

ただもうマジで時系列ぐっちゃぐちゃなんで、もはや原作がどういう流れだったかわかんなくなってきたよおら。

 

クセルクセス遺跡に行くとことか、もう完全にRTAグリッチ利用してフラグ立てに行く流れにしか見えなかったよね。

「スカーとの負けイベ後に部屋に少佐を入れないまま進めるとリゼンブールにエドだけで行け、もろもろのイベントをスキップできます」

「実はここでクセルクセス遺跡に行って、先にスカーの過去イベを見ておくとその後のウィンリィが中央に来た時に敵討ちイベントが進行します」

みたいな。

 

もはやこうなってくると映画を楽しむというよりは、カオスなチャートでクリアまで持っていくRTAを見ている気分になってるというか。

 

正直映画としての完成度はイマイチというか、やっぱり無理やり原作ストーリーの切り貼りしてるから展開のつなぎおかしいし、役者の顔アップする演出多くてテンポ悪い瞬間多いし、今回はアクションとか錬金術シーンも少し物足りなかったなって感じなんですよね。

スカーの技がワンパターンだから、もっと拳法っぽい肉弾アクションで見せて欲しかったな。

 

ただ無茶苦茶なことしながらだけど、原作のここは見せたい!ここはやりたい!が演技や演出、構成、美術とかもう随所から溢れ出てるのを勝手に感じちゃってるので、めちゃくちゃに好感度が高いし嫌いになれないんだよな実写ハガレン

 

 

ふつーに3も見に行くと思います。

果たしてどうなるんだあと2時間。

 

栗山千明がまた期待できるビジュアルしてんだよなー。

老けるけど老いないからすごいよね

見にいく前に前作トップガンも見たんですけど、1986年の映画なんですね。

90年代だと思ってたらまさかのバック・トゥ・ザ・フューチャーとほぼ同じ年でびっくり。

 

 

 

topgunmovie.jp

 

 

これもコロナでめっちゃ公開延びたんですねー。

 

ネタバレあり感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トップガン:マーヴェリック。

かつて米海軍によるトップパイロットのためのエリート養成学校、トップガンに在籍し、訓練中の事故で親友を失いつつも立ち直り卒業したピート・”マーヴェリック”・ミッチェル大佐はその後の40年間で輝かしい功績を挙げつつも昇進を拒み続け、現在は試作中の極超音速戦闘機「ダークスター」のテストパイロットを務めていた。

無人機計画を推進する海軍少将の目の前で目標であるマッハ10を超える飛行を成功させるも、無茶がたたり機体は空中分解。生還したマーヴェリックは少将から次なる任務を言い渡される。

それは超高難易度の対地攻撃作戦訓練のため、選りすぐりの若きパイロットたちを指導するべく訓練教官としてかつての古巣、トップガンへと赴任する内容だった。

…なアクション・空戦・ドラマな映画。

 

 

前作からのオマージュシーン盛り盛りでしたね。

36年ぶりに描かれるマーヴェリックとトップガンのお話で、全体的にその36年間に色々あったんだな~~~を匂わせつつマーヴェリックが「かつて恋人だったんだな~」なシングルマザーとイチャイチャしたり、かつて亡くした親友グースの息子と気まずくなってたりしてましたけど、その色々あったんだな~~~の空気感がめちゃくちゃ上手いかったというか。

 

例えて言うならレイダースから急にクリスタルスカルまで飛んでるのにちゃんと魔宮の伝説と最後の聖戦があったのが感じ取れるインディ・ジョーンズみたいな。

多分チャーリーと別れたマーヴェリックがペニーと出会ってくっついたトップガン2と、別れたペニーと再会したトップガン3があって、それぞれアイスマンが順調に出世していって今回のトップガン:マーヴェリックがあるんだろうな…って感じさせる説得力がすごいなって思いました。

 

 

今回の生徒たちも良かったですね。前作よりもそれぞれキャラ強めな個性的な面子が揃いつつ、ちゃんとアイスマンポジションの嫌味な強いやつもいたりして。

アイスマンポジションのハングマン、立ち位置はアイスマンだけどキャラクターはどっちかというとマーヴェリックなの面白かったですね。ダチのピンチには熱くなるし最後まで軽口叩いてたの好きだなー。若手チームの「若さ」を象徴するキャラでしたね。

 

グースの息子、ルースターもいいキャラでしたね。なによりめちゃくちゃ雰囲気似せててすごかったですね。そりゃマーヴェリックもちょっと戸惑うさ。

父親の件を引きずりつつも、マーヴェリックに反抗的なのは入隊を遅らせられたことがメインなのも上手い塩梅ですよね。前作でも思ってたけど、ビックリするほど誰もグースの死に関してマーヴェリックを責めないんですよね。近しい人は一緒に悲しむし、上司や同僚は慰める、すげー優しい世界。とてもいいと思う。

結局パイロットとしてはちゃんと尊敬してるし、終盤まで行くとすっかりマーヴェリックと親子のような関係に修復されるので良かったねマーヴェリックって感じ。

 

そう、マーヴェリックがとにかく超すごい天才パイロット、って扱いになってたのカッコよかったですね。

かつての天才パイロットが年齢とともに経験も功績も重ね続けて生ける伝説に、みたいな扱いで何も違和感がないトム・クルーズもすごい。

またインディ・ジョーンズの話になりますけど、クリスタルスカルの時のハリソン・フォードとかってどっちかというと年齢も経験も重ねてるけど結構ロートルおじいちゃんな雰囲気になっちゃってたの少し悲しい気持ちもあったんですよね。それと比べたらトム・クルーズホントに老いないなって。しっかり年はとってるのにね。

クリスタルスカルインディ・ジョーンズが女口説いてたらなにやってんだジジィって感じでしたけど、マーヴェリックが女口説いててもなんか普通なんだもんな。ビーチで若者に混ざってフットボールやってても違和感がないんだもんな。

 

前作オマージュのままに調子乗ってる若者をボッコボコにするマーヴェリック、大人気がなくてすごくカッコいい。

 

最後の敵基地の戦闘機奪うところはなんか急にマーヴェリックじゃなくてイーサン・ハントになったなって感じでしたけど、それでF-14に乗るのめちゃくちゃズルかったですね。ズルすぎておいおいイーサン・ハントじゃんが吹っ飛ぶくらいワクワクした。

それでF-14でそのまま2機落としちゃうのもホントにズルい。もうF-14が敵基地に置いてあってそれで逃げるとこからリアリティなんか彼方に吹き飛んでるし、たっぷりマーヴェリックは生ける伝説な超スーパー天才パイロットなんだぜ~~~をやってるからいや普通に勝てないっしょとかも思わん思わん。

 

 

前作の特徴的なシーンをしっかり抑えつつ、シナリオや演出はしっかり練り込まれてるのですごく洗練された、完成度の高い続編でしたね。

めちゃくちゃ面白かったです。

 

 

・・・こういうトップガン:マーヴェリックとか、あとゴーストバスターズ/アフターライフみたいな「かつての名作をリメイクでもリブートでもなく時系列が繋がったものとして復活」させた映画、続編って呼ぶのすげー違和感あるんですけどなんかいい呼び方ないすかね・・・?

この映画ぜんぶ何かしらの文脈で出来てるんじゃねえかな

あーーーこんなに公開日に見れないのが怖かった映画しばらくなかったぜ。

 

SNS断ち&普通に忙しかったおかげで無事に何も踏まずに見れた、よかった。

 

 

 

 

shin-ultraman.jp

 

期待以上に楽しめました。

 

ネタバレあり感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シン・ウルトラマン

ある日突然、そして何故か日本にのみ出現する巨大不明生物。政府はそれらを「禍威獣」と総称し、防災庁にそれらの対策を担う禍威獣特設対策室専従班、通称「禍特対」を設立した。

自衛隊などと連携し禍威獣の駆除をこなしていく禍特対だったが、禍威獣第7号「ネロンガ」の透明化能力と電撃に苦戦を強いられる。

有効な対策案が出ず、打つ手なしかと思われたその瞬間、大気圏外から突如、銀色の巨人が出現しネロンガと交戦。正体不明の熱光線をもってネロンガを一蹴する。

禍威獣をも圧倒する謎の巨人「ウルトラマン」の登場がトリガーとなったかのように、禍特対は、日本は、新たな脅威に立ち向かうことになる。

 

…な誰もが知ってる空想特撮シリーズのリブート作品。

TV版におけるウルトラマンの出現と決戦の流れを踏襲しつつ、いくつかのエピソードを抜粋、再構成して一本の映画にまとめたって雰囲気の作品でしたね。

 

言うて自分はウルトラマン詳しくなくて、身近にいるめちゃくちゃウルトラマンオタクな奴の話を聞きつつ、オーブとかジード、R/B、Zあたりを見てたので、それに出てきた怪獣なら知ってるよくらいなんですけど、それでも知ってる怪獣や宇宙人、事件が出てきたのでチョイスが上手いんだな~って思いました。

 

透明な怪獣が変電所に近づいたあたりで「ネロンガだ!」ってなった時はちょっと感動しましたけどね、自分自身の記憶力に。

ちょうど見てた最近のシリーズでリバイバル怪獣がいたのもあるかなー。

 

ザラブ星人が出てきたからにせウルトラマン出るのかな、とか巨大フジ隊員出てきたからメフィラス星人のしわざかな、とか事件と外星人の順序が違うし、目的も地球侵略!と人類掌握!で違うのも良かったですね。事態が進行している感もあり、シンプルに構成の緩急がスムーズで上手い。

 

 

怪獣出現!戦え科特隊!じゃなくて、外星人の地球人類への干渉と、その対応がメインだったのはSFって感じでしたね。モンスター映画やヒーロー映画じゃなくてあくまでも空想特撮映画なんだよって。

早々にウルトラマンの正体バレやって、人類に対するウルトラマンのスタンスを後半のメインテーマにしてるのも面白いですね。ウルトラマンに対する人類のスタンスじゃないんですよね、ウルトラマンが主体的。

主人公であるはずの神永のパーソナルに関わる描写がほぼ無いに等しいですからね。もちろん神永の自己犠牲精神が物語の大きな要素ではあるんですけど、あくまで主人公は「ウルトラマン」。

 

最後まで結局ウルトラマンは自身の人類への思いを言葉にできず、俯瞰的な立場のゾーフィが「好き」って言葉に集約させるの良いですね。なぜ自身を犠牲にしてでも守りたいと思うのか、ザラブやメフィラスの画策する支配を望まず自由なままでいて欲しいと思うのか、それはウルトラマンが人類を好きになったから。

TVドラマより圧倒的に時間が限られてる映画ならではの描写の仕方だったとも思います。

 

 

人類のフリをしながら溶け込もうとする異星人の斎藤工めっちゃ怪しかったですねー。ウルトラマンじゃなかったら完全に夜闇に紛れてどんどん行方不明者が増えるやつ。

禍特対のメンバー、少なっ!って思ったけどみんな雰囲気良かったですね。ウキウキで新兵器を開発する早見あかりとか、生身だとあんまり強くないタイプの外星人と戦う長澤まさみ西島秀俊とかも見てみたかったな、ウルトラマンだし。

 

しれっと竹野内豊が出てきたの笑いましたね、赤坂って名前だったりしない???

 

ザラブ星人メフィラス星人のデザインめっちゃ好きだったー。特にザラブ星人。あのペラペラなビジュアル。奇妙で不気味で最高。

メフィラスはだいぶエヴァでしたね。ウルトラマンと殴り合いするとことかシン・エヴァの13号機戦みあったなって。真横アングルだったからかな。

 

山本耕史はどこにいても山本耕史って感じですね。強い。でもあのずっとニヤけてて余裕ぶってる感じが好きなんですよね。個人的には西島秀俊もいたせいで「きのう何食べた?」がよぎりすぎて変な面白さがあったけど。多分あのメフィラスは母星でジルベール似の美少年が帰りを待ってる。

 

ゼットンは全然違う雰囲気なのにシュンシュン音と発光しながら「ピロロロロロロ…ゼッ トン」って言ってたらもうゼットンだ!ってなったのでなんか負けた気になっちゃった。やっぱあの鳴き声(?)がキモなんだなー。キッチリ原作っぽいバリア張ったり赤い光線みたいなの撃つしね。

 

 

ウルトラマンはもう普通にウルトラマンでしたね。普通にスペシウム光線撃つし、八つ裂き光輪も出すし、回るし。縦回転する勢いでガボラ蹴り上げたのはちょっと乱暴すぎて笑ったけど。

予告編の超然的というか、無機質で不気味な雰囲気の立ち姿が印象的だったから、よく知ってるウルトラマンみたいなアクションはあんまりやらない感じなのかなって思ったけど、ガボラ戦以降ぐらいから普通によく見るウルトラマンでしたね。

 

にせウルトラマンが出た時とかにちゃんと目元アップにするのズルいなって思いました。そこよく見たいに決まってるよな。

 

 

で、めっちゃ楽しめたシン・ウルトラマンなんですけど、なにより面白ー!って思ったのはやっぱりアレなんですよね。

 

文脈。

 

最初のタイトルからしウルトラマンのOP前のとこやりつつ、ウルトラQじゃなくてシン・ゴジラからシン・ウルトラマンに変化ですよ。ズルいって。

 

そのまま冒頭から一気に禍威獣や禍特対の設定をズラーーーって並べて「そして現在」ってやるあたりも、見に来る観客がシン・ゴジラ見てるって確信してないと出来ないですよこんなん。

最初のゴメスがシン・ゴジラっぽかったり、マンモスフラワーが東京駅に出現してたり、パゴスをヤシオリ作戦っぽく駆除して「ああシン・ゴジラみたいなことがあったんだな」って観客に印象づけてますけど、ある意味説明放棄ですからねこれ。

他のゴジラ映画なんかでも「世界各地に怪獣が現れ…」みたいなナレーションを序盤にやったりしますし、それと似たようなことをやってるだけなのに、絶対シン・ゴジラ見てるって確信した内容な上に観客は絶対にシン・ゴジラを見てるから、ただのナレーションと比べてめちゃくちゃ説得力が出る。ズルい。

 

ネロンガもミサイル迎撃するし、通ったあとを映すとこ見覚えある絵面だし、ガボラは地中貫通型爆弾MOP2で攻撃するしね。

 

またこのへんの爆発音とかのSE全部聞き覚えがあるんだよな、ズルいな。

 

ゾフィー、じゃなくてゾーフィの声優、山ちゃんですしね。それはじゃあ日本アニメ(ーター)見本市のウルトラマンのやつじゃんとかね。

 

これは聞きかじりですけど、そもそもウルトラマンが出現するまでの禍威獣がウルトラQが出典だったり、ゴメスは原典でもゴジラのスーツ流用してたり、似てるって言われたパゴス、ネロンガガボラも原典でスーツ流用の怪獣なんですってね。

もうこうなってくると何かしら全部に何かしらの元ネタあるんじゃないかって気がしてくるよね。

 

逆に言うと「みんな知ってるでしょ?」で進行している感が強いので、ウルトラマン全く知らなかったり、シン・ゴジラ見てない人だったりすると面白さはだいぶ下がるんじゃねえかなーみたいな気はしましたね。

 

 

あとこれは文脈とか関係ないんだけど、巨大長澤まさみの動画がめっちゃYoutubeにアップされてる時のShort動画っぽいサムネとか字幕の質感めちゃくちゃリアルだったな。

シン・ゴジラのときもニコニコ動画っぽいコメントとかで思ったけど、スタッフにインターネットの質感出すのめちゃくちゃ上手い人いますよね。

 

 

そんな感じでめちゃくちゃ楽しかったですシン・ウルトラマン

シン・ウルトラセブンとか帰ってきたシン・ウルトラマンとかやんねえかなー。

「シン」の感じのエレキングとかキングジョーとか、メトロン星人とか見てみたいなー。

 

そういえば最後らへんで総理秘書官みたいなひとが持ってたメモ、ウルトラ文字だった気がするんですよね。

気になる…2回め行こうかしら…。

映画で初めて見る「アメコミっぽさ」の話

アベンジャーズ絡みでちょっと学んだニワカアメコミ知識も底が見え始めて、すっかり詳しい解説はインターネットで見るマンになったけど、次々新キャラが出てくるからアメコミってすごいね。

 

 

marvel.disney.co.jp

 

邦訳長いからロゴダサくなりそう~って思ってたらめちゃくちゃカッコよくてすごい。

この構図だとワンダがドクター・ストレンジみたいでウケるね。

 

 

ネタバレあり感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクター・ストレンジ / マルチバース・オブ・マッドネス。

スパイダーマンマルチバースやらかしおじさんの名を欲しいがままにしたあの男が、ついに自身の単独作2作目で本格的にマルチバース案件を開始!

元・至高の魔術師ドクター・スティーブン・ストレンジの前に現れたマルチバースを行き来する能力を持った少女、アメリカ・チャベスと、彼女の能力を求めて襲い来る謎の怪物。

これまで以上に強大な敵の襲来を予期したストレンジは、ワンダ・マキシモフへと助けを求める。

ストレンジとウォンは魔術師の寺院カマータージを要塞としてチャベスを守り、敵の襲来に備えるが、彼らを襲うのは今までの常識が通用しない、狂気と謎に満ちたマルチバースの脅威だった!

 

ついにマーベルのさらなる沼、マルチバース展開にがっつりダイブするMCU

スパイダーマンFFHやワンダヴィジョンでチラッと匂わせキャンセルされ、ロキやホワット・イフを経てスパイダーマンNWHと今作でとうとう本格的に始動したマルチバースですけど、そう思ったら作品をまたぎながら徐々に出してきた感じがしますね。

それこそアベンジャーズやる前にマイティ・ソーやアイアンマンのポストクレジットシーンで「え、世界観同じなの…?」からキャプテン・アメリカの最後に「うわアベンジャーズやるんだー!!!」に近い感じというか。ワクワクさせるのが上手えぜ。

 

 

でそんなドクター・ストレンジMoM、タイトルにマッドネスってあるくらいなんでホラー演出がすごい。追いかけてくるスカーレット・ウィッチが、これでもかってくらいホラーに出てくる。

カマータージの防衛を破るためにモブ魔術師の精神に語りかけてきたり、水たまりにギョロッと目だけ映したり、鏡から腕だけ出してそこからこじ開けて出てきたり、執念深い殺人鬼ばりに足を引きずりながらでも高速で追いかけてくる。ホラーのバリエーション豊かだねワンダ・マキシモフ、ドラマ見るの好きだからね。

個人的には別世界のワンダの精神を乗っ取ったときに、一瞬ガッツリ観客のほうを見るのがゾクゾクがやばくてめっちゃ良かった。

 

 

タイトルはドクター・ストレンジだけど、ストーリーはだいぶワンダ・マキシモフの話でしたね。ポスターのセンター陣取るくらいですからね。

ド序盤のストレンジが助力を依頼しにいった次の瞬間に犯人バレするから、てっきり真の敵が裏にいるパターンかと思ったけど、徹頭徹尾しっかりワンダが犯人なのウケるね。お前それワンダヴィジョンと同じやつ。2回めやぞ。

まぁ今回はダークホールドに精神を操られての犯行ですからね、がっつりワンダヴィジョンと地続きの事件なので…うん…。

 

だいぶワンダ擁護派なのでダークホールド持ってきたアガサ・ハークネスが一番悪いってことにします。ワンダは可哀想な子なんや…。

本当に不憫すぎるというか報われてほしいのでワンダに幸せになって欲しい、宇宙のためにも。なんやかんやアレ死んでないやろ、多分…。

 

 

ストレンジは相変わらずストレンジって感じでしたね。本人の成長が~というよりは「このユニバースのストレンジは他のストレンジよりちょっとした差でマシだぜ」みたいな感じでキャラ付けされてってたような印象。

結婚式のシーンで水をワインに変えるのとか、文化に詳しくないんですけど傲慢さを表す不遜ムーブだったりするんですかね。

 

新キャラのアメリカ・チャベスはめっちゃ好きなキャラ造形でしたね。

星型にポータル開くのがめちゃくちゃ好みすぎる。カッコいい。

具体的な描写こそ殆どなかったですけど、「大人ぶる子供」な雰囲気で「本当は信頼できる大人に頼りたい、寂しい」感じが出てるのめっちゃ良かった。ストレンジや、別世界のクリスティーンがしっかりと「子供を守るのが大人」ムーブするのもいいですね。

 

個人的には「年相応のヒロインと破局した気難しめのヒーローが、ひょんなことから子供と2人行動する」展開が大好きなのでツボに刺さった感じはある。

 

最後にカマータージで魔術の修行してましたけど、やっぱりいきなりポータル開いたネッドって才能の塊だったのでは…?

もしネッドがゴブリン化しちゃう展開が来たら魔術使ってほしいな。強そう。

 

 

で、今回の目玉マルチバース展開。

予告の通りプロフェッサーX、チャールズ・エグゼビアとして実写Xメンからパトリック・スチュワートが!と思ったらまさかのキャプテン・カーターでヘイリー・アトウェルまで。

別世界のアベンジャーズ的な存在・イルミナティの首脳部として登場なので、他の面子もファンタスティック・フォーのリーダー、リード・リチャーズやインヒューマンズの王・ブラックボルト、そして別世界のキャプテン・マーベルと揃ってストレンジに立ちはだかったり、襲ってきたスカーレット・ウィッチと対決するんですけど、

 

ビックリするほど

 

あっさり

 

死ぬ

 

特にブラックボルトが、ドラマ版と同じ俳優さんに新しく原作っぽいコスチュームまで用意した上で「能力を封じられて自爆」なのがすごい。

そしてそれがめちゃくちゃ「マルチバース展開っぽい」。

なんとなくですけど、今回出てくる「イルミナティのバース」みたいな、ぽっと出の使い捨てユニバースが出てくるのめちゃくちゃマルチバースっぽい~~~って思ったんですよね。

 

悪役の強さアピールとして、別世界とはいえ有名ヒーローがあっさり殺されるってやっぱり強い印象を与えてくれる展開だと思うんです。これがコミックとかなら割と簡単で、そう描けばそう読者は受け止めてくれるけど、実写だとやっぱりその「ぽっと出の強いヒーロー」を出そうとしても、どうしても過去の作品でそのヒーローを演じてた俳優を使わないと、強さの説得力が出ませんよね。

でもそんな垣根を超えたレジェンド出演やったら、簡単に殺される展開に普通できないじゃないですか。もったいないし、そもそもそんな役どころだと復帰してくれるかすら怪しいと思うんです。

だからこそワンダヴィジョンのクイックシルバーはあんな感じになったし、スパイダーマンNWHは「別世界のピーターと一緒に、救えなかったヴィランを今度は救う」話だったし。

 

でもやったんですよね、ドクター・ストレンジMoMは。

しかもNWHで「改めて描く」ほうをやったからこそ、今回の使い捨てレジェンドヒーローがめちゃくちゃ効くんですよね。

 

もちろん見せ場が全く無いわけではなくて、結局スカーレット・ウィッチ相手に時間稼ぎにしかならなかったけど重要な時間稼ぎだったし、そこも上手いですよね。

 

 

今までさんざんアメコミを実写化してきたMCUがとうとう新たな「アメコミらしさ」演出を編み出してきたドクター・ストレンジMoM。

もちろん「マルチバースを冒険するストレンジとチャベス」のアドベンチャーもめちゃくちゃ楽しいし、世界ごとにかわる色使いやCGは圧倒的。

 

今後もどうなるかめちゃくちゃ楽しみですねMCU!って感じ。

 

 

 

 

そしてザ・バットマンとこれに挟まれたモービウスがどんどん不憫になってきたんだ。

もうホントにさ、自分の中でかつてのダークナイトアベンジャーズに挟まれたグリーンランタンと同じ存在になりつつあるんだよな。

しかもよりにもよってコウモリヒーロー映画とホラー描写なヒーロー映画に挟まれて…。

 

逆にいうとこれだけ揃ってるなら、今がヒーロー映画ってジャンルの新しい転換期なんですかね…?

子供けっこういたのにずっと静かだったの凄くない?

ずっと静かだった上に映画終わったらテンションマックスでずっと「アクシオ!」ってやってる男の子いて面白かった。

アクシオなんだ、まぁ便利そうだよねアクシオ、テレビのリモコンが微妙に遠い時とかね。

 

 

 

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wwws.warnerbros.co.jp

 

ところでダンブルドアの秘密って結構「黒い魔法使いの誕生」でバレてた気がするんですけど、まだ秘密あるんすかあの人。

あるか、あるだろうな、無限に秘密持ってそうだもんなダンブルドアって。

 

ネタバレあり感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファンタスティックビーストとダンブルドアの秘密。

ハリー・ポッターシリーズより数十年前の魔法界を魔法生物学者ニュート・スキャマンダーが冒険するシリーズ3作目。

前作でとうとう本格的に魔法界の掌握に動き出したゲラート・グリンデルバルドの企みを阻止するため、ニュートと仲間たちが奔走する!

・・・な魔法アドベンチャー映画。

不思議な魔法動物たちが巻き起こす事件を解決しろ!な1作目や、グリンデルバルドやクリーデンスの行方を追う2作目とはまた異なり、今回は明確にグリンデルバルドとの対決が描かれます。007やミッション・インポッシブルのようなスパイ映画さながらの騙し合い、策略対決はなかなかの見応え。

 

前作のラストからそのままグリンデルバルド一味の企みの阻止のために動くニュート達から話が始まるので、ちょっと最初は面食らいましたね。急発進した感じで。スターウォーズの最初の「テーーーン!」であらすじ流すやつって便利なんだなって思いました。

でもそのままニュートたちダンブルドアチームが合流するまでの流れは簡単な人物紹介、前作の最後でどうなっていたか、今までどうしていたかを説明セリフ無しで自然に観客に教えていくのめちゃくちゃ上手い。

 

 

ニュートやジェイコブ、クイニー、クリーデンスなど主要な面子は基本的に前作と変わらない雰囲気。芯のない杖を渡されて魔法界の陰謀に立ち向かうジェイコブは、過去作よりも困ってる人を放っておけない性格、勇気を強調されて描かれることが多くカッコいい。

ジェイコブの恐れ知らずというか、おかしいと感じたら迷いなく声を上げる性格、ホグワーツだったらグリフィンドール的だよなあって思ってたらユーラリーやダンブルドアがべた褒めしてたので多分マジでグリフィンドールなんだろうな。

 

しれっと役者がジョニー・デップからマッツ・ミケルセンに変わったゲラート・グリンデルバルドは、見た目から雰囲気までマッツのものに。

ダンブルドアとカフェで語らうシーンはだいぶセクシーで、2人のただならぬ関係性の醸し出され方がすごい。逆にジョニー・デップのままだったらどうなってたんでしょうね。

あまりにもしれっと変わって誰も触れないんで、ジェイコブが手配書をじーっと見てた時に「なんか前と違くないか?」とか言わないかなって思ったけど言いませんでしたね。ちょっと残念。

 

ティナもなんでか本編には絡んできませんでしたね。といっても終盤でちらっと出てきたり、ジェイコブとクイニーの結婚式には参加してくるので次回とかはがっつり出てほしいな。

 

 

終始グリンデルバルドの策略をダンブルドアの作戦で食い止める形で何度か陣営同士の対決が行われますが、グリンデルバルドもダンブルドアもともにある程度の未来を見る能力や技術があり、しかもそれを含めてお互いにある程度手の内を知ってるのがいいですよね。

裏のかきあいって面白いけどやり過ぎると複雑で分かりにくくなっちゃいますけど、あくまで実行するのはニュート達だけ、作戦を立てたダンブルドアは秘密主義だし対抗するためにも全容は明かさない、っていうのもいい具合に冒険に集中できて上手いですよね。

いちおうここから魔法界も第2次世界大戦に参戦する、的な時代なのもあってドイツ悪者にされがちですね。っていうかドイツ魔法界だいぶ非魔法界の影響うけてそう。

 

前作でもやってたけど、途中でホグワーツに来た時にハリー・ポッターのテーマ曲流すのずるいよね。いつもの大食堂やホグズミード村も出てきて懐かしい感じ。

 

ユスフの2重スパイや複製したニュートの鞄なんかはわりと予想通りに展開していきますけど、しっかりアドベンチャーとして楽しめるのいいですね。

てっきり3部作で終わらせるのかと思ってたので、この先もストーリーが続きそうな終わりだったのちょっと意外。と言ってもジェイコブとクイニーも結ばれたしグリンデルバルドの企みも阻止したしクリーデンスも死んだしで、次やるなら新章って感じになりそうですね。

また1作目みたいな不思議な魔法動物アドベンチャーも見たいなー。

歩行者に合わせて電灯がオンオフされる廊下ってアメリカあるあるなのかな

マーベルが大成功させたマルチバース映画、DCが追従して若干コケてクオリティの高い単品映画の方針で盛り返しつつ、今度はマーベルにもちょっと噛みしてたソニーが堂々参戦ですよ。

 

 

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www.morbius-movie.jp

 

原作通りなんだけど変身するとコウモリ鼻になるのビミョーにかっこ悪いよね。

 

ネタバレあり感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モービウス。

幼い頃から血液の病気に苦しめられつつも、その才能を認められ医者としてノーベル賞を受賞するまでになった天才医師マイケル・モービウスは、吸血コウモリの遺伝子を人間に組み込み自らの病気を治療する研究を行っていた。

ついに完成した血清の臨床試験を自ら行い、見事治療に成功し、杖や透析の要らない身体になるマイケル。だがその恐るべき副作用によりマイケルの身体には様々な変化が起こり、人間の血液を渇望する「生ける吸血鬼」となってしまうのだった。

吸血欲求に抗う手段を探す中、同じ病気を持つ幼なじみでありパトロンでもある友人、マイロにコウモリ血清による治療の成功を知られ、血清を奪われてしまう。

マイケルと異なり吸血欲求を楽しみ、人々を襲い続けるマイロ。マイケルは生ける吸血鬼を作り出してしまった責任と、友人としてマイロの凶行を食い止めるために戦いを挑む・・・・・・なホラー風アメコミ原作映画。

ヴェノムに引き続き、スパイダーマンの宿敵をダークヒーローとして描くシリーズで今回で3作目ですね。ちなみに「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」略してSSUって言うらしいですよ、知ってた? 知りませんでした。

 

 

さてモービウス。

そのものズバリ吸血鬼をモチーフとしたキャラクターなので、映画も序盤はホラー仕立てな感じになっています。でもあくまでヒーローvsヴィランの対立がメインなので、ホラー演出はだいぶベタ。でもそれが逆にいいよね、「モービウスは怪物」っていうのが分かりやすく伝わる感じで。

予告編でもあった廊下の電灯が付いたり消えたりしながら近づいてくるやつ、ホラー演出かと思ったら電灯自体は歩いてるところだけ点灯させるただの節電機能で「本当にそんなのあんの・・・?」とか思ってたけど、まさかのムーンナイトでも2話で貸倉庫の廊下がそんな感じであるんだ・・・ってなった。

 

ハンデをもつ天才科学者が自らを実験台に非人道的な治療法を試す、ってもう絶対に失敗するやついいですよね。アメイジングスパイダーマンでもいたしな、リザードおじさん。

貨物船で実験して船内皆殺しだけどヒロインだけ助かってるのとかご都合主義なような本能に忠実なような。

 

モービウスの吸血鬼パワー、エコーロケーションの演出とか超スピードで動いた時にモヤモヤってするのカッコよかったですね。あのモヤモヤなんだろうね、やっぱ血液ってほぼ水分だし、余分な水分を水蒸気として排出してたりするのかな。

飢えて血液パック飲むときも破いたりせずにちゃんとチューブから飲むのお行儀よくていいね、なんかあるんすかね、血液パックを破いたらだめな表現規制みたいなやつ。

 

吸血鬼になってヒョロガリから細マッチョになってましたけど、なんとなく気流に乗って飛んだりするならヒョロガリのままのほうがよかったんじゃないって気もしますね。多分これはるろ剣のせいです。ゴブリンバットー!

 

 

今作はとにかくモービウスがメインの話だったんですけど、そのモービウスの描写にブレを感じるというか、シーンごとにキャラ変わるのに見てるこっちがついて行きにくいというか。

子供時代から序盤までの「理知的で厭世家だけど優しい天才医師」みたいな部分が吸血鬼になってからは全く出ずに、すぐ怒鳴るし誰にも頼らなくなるし言葉も足りないキャラになったように感じてしまったんですよね。その奥に本能に忠実で獰猛な吸血鬼が潜んでるって言われてもそれ二面性どころか三面性くらいないスか? って思ってたら急にウキウキで偽札工場乗っ取りに行ったり屋上でヒロインと唐突にキスしたり「急に力を手に入れた主人公」あるあるのムーブやるし、とにかくマイケル・モービウスの言動が常にチグハグに感じられて感情移入できなかったんですよね。

偽札工場襲った時に急に「俺はヴェノムだ」って言い出したとこ、普通ならあっちゃんと有名なんだwとかなりそうなのに全然ならなかったしね、どっちかというと何で急にジョーク言い出したのって引いた。

 

 

とにかく映画全体が一定のテンションで進行していくので単調に感じちゃいましたね。

マイケルの身に覚えのない被害者が!?とかパワーを得たマイケルがウキウキでリーサルプロテクターごっこ!とか一瞬やるけど、本当に一瞬で真犯人出てくるしリーサルプロテクターごっこも一回しかやんなくてすぐ元のテンションに戻るから108分で見せなきゃいけないタスク消化の様子を見てる気分というか。

しかもその消化しないといけないタスクの中身もベタベタなダークヒーローものなので「知ってる知ってる、はいはいこういうやつね」って段々眠くなる感じ。

マイケル自身の吸血衝動の苦しみや、自分が吸血鬼を生み出した責任を取るために自らの手で親友を殺さなくてはいけない葛藤、みたいなのもあんまり伝わってこないのでカタルシスが弱いですよね。

 

じゃあこの映画で一番の期待ポイント、マルチバースはどうだ!って思ったら結局トゥームスおじさんは最後にちょろっと出てくる上に、よく分かんないけどマルチバース超速理解した上でなんかしれっとバルチャースーツ作って登場するし、しかもそこでトゥームスと手を組むのってそれはそれでまたマイケルのキャラクター崩壊してない?みたいなとこで終わるっていう肩透かしっぷり。

そもそもなんでNWHの魔術パワーでトゥームスがSSU世界に来るのかも不可解ですしね。

 

 

マイロだけがとにかく良かったですね。分かりやすいハンデとコンプレックスからの解放のキャラ変。ケレン味たっぷりに楽しみながら犠牲者を増やす様。杖を捨てスーツで街に出るところも、歩き方だけでウキウキしてるのが伝わるのとか。

マイケルへの歪んだ愛情みたいなのもめっちゃ好き。ヤンデレのお兄さんが一番厄介ってヒーロー好きならみんな知ってるやつ。

序盤のマイケルとマイロが二人で散歩して公園デートするとことかめっちゃ良かったですね。

 

 

モービウス。ヴェノム1,2が良かっただけに変にマルチバース意識するんじゃなくて、単品で独自の雰囲気出してほしかったですね。個人的にはちょうどダークナイトアベンジャーズの頃に出てしまったグリーンランタンと同じ匂いを感じちゃいました。逆オーパーツ的な。

キャットウーマンとかデアデビルとかやや古めのヒーロー映画が好きなら好きかもしれないですね。